先日少し前に一緒に仕事をした同業者の方にお会いしました。
帽子に特化していらっしゃる方で、つい立ち話をして、お互いの近況報告も兼ねて、情報交換を行いました。
世の中には洋服が溢れている。ライバルが多すぎるとの事で、帽子に特化されているそうです。
つまり自店の強味を磨くという事です。
そこで考えてみました。
行き着いた答は、「スーツをデザイン出来るオーダー」となりました。
世の常。のオーダースーツのほとんどはデザインを自分では希望できません。
決まった形、デザインの中で生地、ボタン、裏地を選んでいるパターンがほとんどではないでしようか?
私の店では、本当に細かくデザイン出来ます。
襟の幅、ポケットの高さ、ボタン位置等…。
ビジネス用というよりはパーティ向けかもしれません。
細かくデザインを追える代わりに、 ある程度のフィット感や、着心地は犠牲になる可能性があります。
そもそもオーダーのフィット感は実は毎回再現するのが難しく、ほぼ毎回違うと思ってもらうと良いかと思います。
生地や裁断で多少のバラツキは出ます。
オーダーに慣れている人は良いですが、初めてだったりするとトラブルになりがちです。
広く多数を相手にしているオーダーのお店なら良いですが、私の様に特殊で個性的なスーツを販売している店は、後々続かないので、どちらかというととても気の合う方々と商売しております。
つまり、服に詳しい方と商売すると知識や見解の違いから間違いが起こりやすいのです。
例えば袖口のボタンホールを本開きの重ねにするのが、オーダーでは当たり前、伝統的なスーツ、クラシコだと思い込んでいる方と商売すると、私にはどうでも良いディテールで、こうでなければという点が多いとイタリアで作ってきて下さい…と思ってしまいます。
実際の所ヨーロッパは広く、人種も階級もあり、何を持ってイタリアだとかイギリスとかだとは正直わかりません。
比較的に理解しやすいのは、本当に贅を尽くしたモノやブランドは日本には入って来ません。
残念ながら日本の富裕層はスケールが小さく、本当に贅を尽くしたモノを理解する力に乏しい~です。
シンガボール、香港、上海あたりで止まります。
これは様々なブランドに携わり、世界で仕事されている方のお話、様々な海外の情報を統合すると理解出来ます。
オーダーで大切な事、ファッションで大切な事で気の合う方々と商売しないと成り立たないのです。
ファッションで大切な事。それは「その人のライフスタイルや仕事、社会的立場を助ける」側面がある事を忘れてはいけません。
「一着のスーツが顧客様の力になります様に」という思いで作っております。
ビジネスのスーツで、悩みのある方はお気軽にご連絡下さい。